DIYで実家の床貼り劇的ビフォーアフター(後編)
1日で34平米の床貼りに挑んだのはある春の土曜日。
朝早く出かける準備をしている私に娘は「ママ、お仕事?」と聞く。
ううん、「ドドドド!ガガガが!だよ」と答えると、当然きょとんとしていた。
「後でパパと見においで、見たらわかるからね!」と答え、慌ただしく実家に向かう。
朝9時に到着すると、母と妹はいろんな場所をようじょう中。たくさん木屑が出るので、窓なども一応ビニールでおおう。
その後、Kumiki Projectの桑原さんが到着。傍らには大工さんの丹羽さんも。
続いて建築家の友人たくちゃんも到着。
そして友人たちやお手伝いしてくれる人も集まり、総勢8人での床貼りが始まった。
今回は、既存の床をはがさずに、その上からさらに床材を重ねて貼っていくことに決めた。
それがゴミも出ず一番楽なやり方なのだそうだ。
しかし、床が底上げされる分、四枚のドアの下部を切らねばいけない。
なので、まずはドアを全部外す。
そして六畳間の方は、不思議な形で貼ってある琉球畳も同じく底上げする必要があった。
細かい柱なんかの凸凹もあるし、なかなか難しい作業になりそう。
「結構やることがあって、今日中に終わるか心配ですがやれるところまでやりましょう」
と桑原さんはいう。
さて、丹羽さんの技術指導の元、ようやく午前中の11時くらいに最初の一枚を貼り始める。
今回選んだのはヨーロピアンオークの複合材。長さ190センチ、幅20センチの
ダイナミックな材である。
本当は無垢材にしたかったが、無垢のオークはあまりにも高すぎて断念。
しかし、複合でもしっかりと表面に厚めの無垢材が貼ってあるので、見た目は
無垢材さながらである。
手順としては、床材の裏にボンドをぬりぬり。そして床材を結合する「実」の部分に
頭の小さい床専用ビスを30センチ間隔で45度の角度で打っていく。その時、しっかりと実を叩いて結合するのがポイントだ。まあ単純にいえばそれだけなのだが、部屋の大きさに合わせて床材に墨付けし、きっかり切断する作業もあったりして、それなりに難しい! 中には丸ノコとインパクトを初めて触るメンバーもいて、まずは工具の使い方から覚えないといけないのだ。だから、午前中に終わったのは全部の工程の20%くらい。
丹羽さんは、一番の難所である畳の底上げや、柱が当たる角の部分、ドアの切断などを担当。建築家のたくちゃんはそれをテキパキとすごい勢いで手伝う。そして、桑原さんは「じゃあ、こっちをやりましょう!」などと全体を管理。途中から2班に別れて作業を進める。
「きっと2時半くらいには持ち場が決まって、みんな”ゾーン”に入ります」という桑原さんたちの予言通り、2時くらいには全員が一心不乱に作業に集中するゾーン状態に突入。
(ただ、私の集中力はびっくりするほど短かったけど)
娘は途中で様子を見に来たが、みんなが一心不乱に「ドドドド!」と作業をしているので、びっくりしてすぐに退散。ごめんねー!
私は途中で、間違った寸法で床材を切ってしまったり、頭がぼーっとしてちょっと床材の間に隙間を作ってしまったりと、いろいろヘマをしつつ
大工さんなどの「できる人々」のおかげで、作業は進む。
夕方からは「時間がない!」ということが明らかになり、
全員がまきまきで行動。幸い妹も友人も結構器用なので、作業のコツをマスター。
丹羽さんに「みんな床貼りのバイトができるレベルになった」と褒められる。
始まりから10時間後、ついに作業完了!
みんなで母が作ったカレーを食べて、乾杯をした。
やっている途中はもはやわからなかったが、終わってみると、信じられないくらいに変わった。床が変わると部屋全体の雰囲気が変わる。広くなる。
そして、オイルフィニッシュなので木がまだ呼吸をしている。
だから足元がサラサラして、暖かくて、素足が本当に気持ちがいい。
娘も喜んで、走る、走る。
いやー、DIYならぬDIT (Do it Together)は、本当に楽しい。
最後のビールが美味しいことったら。
お手伝いいただいたみなさま、ありがとうございました。
次は何をやろうかな。やっぱり漆喰かしら?
最後に今回の予算。
床材が25万円、ボンドやビスで2万円。
大工さんなどへのお礼、みんなのご飯代、その他諸々で7万円。
全部で34万円なり。
お財布にも優しいDITでした。