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お祝いの夜

7月21日、いわきの有志の皆さんに、とてもすばらしい祝賀会を開いていただきました。

「せっかくなので、早いうちにお祝いしたいですね」と志賀忠重さんが声をかけてくれたのは受賞の知らせの翌朝。

山の家で気軽な感じでやるんだよね、と思い込んでいた私は、

「いいですねー、やりましょう、祝賀会!」

などと気軽に答えていたものですが、なぜか日を追うごとにどんどんゴージャス感と規模がどんどん膨れ上がっていくことに。

当日の朝、「ついに出席者が100人を超えました」と聞き、少しビビりながら、家族や友人たちといわきへ向かいました。

東京はすごい猛暑だったけど、万本桜の山はだいぶ涼しく、いつも通り日陰でハンモックをしたり、ブランコしたり。そして夕方から会場のワシントン・ホテルへ。

ツリーハウスの下で

司会は津田大介さん。ほかに用事があったのにわざわざいらしてくださいました。

(ありがとうございます!!!)

そして、いつもは山仕事で汗や泥にまみれながら、わははーと笑いながらお茶を飲んでいるみなさんが、今日ばかりはピシッとした素敵な格好をしてすましていることに感激。

大きな垂れ幕や花やバルーンに囲まれて、

いやあ、マジですか!?

たった二週間でこんな祝賀会が実現できるの!?

と驚いてばかり。

取材を受けていただいた大勢の方はもとより、来賓の方には、いわき市長の清水敏男さん、そして集英社の方々、そして地元の書店さん、志賀さんのご親戚やご友人、じゃんがらチームの皆さんと、もうたくさんの方がいらっしゃいました。

私は始まって3分で涙腺がおかしなことに。

なんでしょう、あたたかな雰囲気にやられてしまったようです。

嬉しかったことは、今回、取材をさせてもらい、原稿のチェックをしてくれたある人に「いんや、(原稿のなかで)いわき弁が、カンペキだったな。でも、俺、あんなに、なまってねえどー!」と(すごいいわき弁で)言われたこと。そうそう、文字によるいわき弁の再現は、今回の本のなかでこだわった部分の一つです。(方言の技術指導は母です)

会は、津田さんとのトークショーあり、超サプライズ記念品あり、冒険家の大場満郎さんからのお手紙ありと、クリスマスが100回来たような2時間半。そして、発売日も決まっていないし、カバーデザインも何もない本の予約が191冊って・・・どういうこと!? もはやあらゆる意味で前代未聞すぎる。

なんか、私がどうこうというよりも、この「空をゆく巨人」の関係者の皆さんの爆発するようなエネルギーに触れた気がしました。

この本は志賀さんと蔡さんという二人の人物を軸にしつつ、冒険家の大場満郎さんを筆頭にキュレーターや美術関係者、ジャーナリスト、植樹ボランティアの方々、そのほか、職業も肩書きも年齢も異なる大勢のいわき市民が登場します。大空を飛びたいと願った志賀さん、宇宙と対話したいと空を見上げた蔡さんと同じように、自由に生きることを希求した人たち。

そこにあるのは、確かに同じ時代に生きた大勢の人々が形作る、筋書きのない長い物語。

まさに現在進行形で、しかも望めば誰もが飛び込める大河のような「時代の物語」です。

蔡さんがこのいわきで24年前に言った言葉が今も生き続けています。

この土地で作品を育てる

ここから宇宙人と対話する

ここの人々と一緒に時代の物語をつくる―。

そして、私もいわきの物語の一人なったのかもしれないと感じた夜でした。

祝ってくださった皆様、心からありがとうございます。

しかし、本当に祝われるべきなのは、

物語の題材になるような場所を作り上げた皆さんなのです。

だから、私からもみなさんに、この度はおめでとうございますと言いたいです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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